小児の外傷

小児の口腔・顔面外傷

これらは、一般の歯科医院では十分な対応がされていない事も多く、実際に「どの診療科(小児科・外科・形成外科・耳鼻咽喉科・歯科口腔外科など)を受診したら良いのか?」 また、「どこの歯科医院へ行けば良いのか?」など、多くの患児の両親の声を聞いています。
口腔外科クリニックとして、外傷に対応していますが、状態により適切な医療機関を御紹介する場合があります。

子供の転倒、転落、衝突などによる歯・口腔粘膜の外傷

外傷によるもの(転倒、衝突などによる歯の損傷、口腔内の裂傷)

1歳児から3歳児くらいまでは、家庭内での転倒により乳歯の損傷、脱臼があります。
4歳児からは特に運動能力も活発になり、家の中だけではなく外でも活発になるため外傷の危険度も増します。
口腔内の外傷は、軽傷なものが殆どですが、なかには顎骨骨折まで伴うこともあり、注意が必要です。
緊急性も含めた適確な診断が必要です。

上唇小帯
よくみられるものでは、外傷により歯の一部が破折してしまい、併せて上唇小帯(写真参照)という上の唇の内面に付着している線維束の裂傷を伴ってしまうことです。
その他、唇、舌を切ってしまう、口唇裂傷、舌粘膜裂傷なども多々あります。

歯の外傷について

歯牙破折:歯の一部が衝撃により破折したもの
脱臼:完全脱臼(簡単に説明すると、歯が根も含めて抜けてしまった状態)
    不完全脱臼(揺れはあるが、完全には抜けていない状態)

上記の診断・その組み合わせによって、「歯の神経をとる処置が必要になります!」、「歯の保存は不可能で、抜歯しなければいけません!」と言われることもあります。
しかし、経験のある医院で適切な処置が施されれば、歯の神経、そして脱臼してしまった歯を再植することが可能な場合もあります。(あくまで成功する確率が上がるという意味で、困難な場合も当然あります。)

歯の再植にあたって重要なことは「抜けてしまった歯の保存状態です」
外傷により歯が抜けてしまった時(完全脱臼の状態)には、牛乳、歯牙保存液などに浸けておくことが理想的ですが、すぐにそのようなものが用意できない場合がほとんどです。一時的にお口の中に入れておくということが可能であればそれでも構いません。(ただし低年齢では、誤飲してしまうこともあり注意が必要です。)一番良くない事は、ティッシュペーパーなどに包んで保管してしまうこと!つまり乾燥させてしまうことが再植を不可能にさせてしまいます。歯は生体の一部ですから根の周りには多くの細胞が存在します。乾燥には弱いのです!
上記の話は、主に永久歯に対して言われていることです。乳歯の場合は、年齢によってはすでに動揺もあり、歯の根が吸収している状態(生え替わりの準備期間)ですから、抜けてしまった場合はそのままにしておくことが一般的です。ただし、スペースを確保しておく必要があります。また、乳歯の外傷により後から生えてくる永久歯に影響を及ぼす場合もありますので、これらのことは必ずかかりつけの歯科医に相談してください。

子供が転倒して机に口をぶつけました。出血しているのですが? どうしたらよいですか?

まずは、全身の外傷の部位を確認すること! 頭部や四肢は大丈夫か!
口腔の部位に限られていれば、まずは落ち着いて出血部位を確認してください。お口の中は非常に見にくく、特に小児ですと唾液の量も多いため困難だと思います。(泣いている時にお口を大きく開けることもあるため、その時に確認できることもあります。)

基本的には、ガーゼ、ティッシュペーパーなどで出血部位を軽く押さえて様子をみてください。唾液の量が多いので出血しているように感じますが、ほとんどが数分で止血していることが殆どです。
浅い傷で止血していれば、早急に受診する必要はないでしょう。
先にお話しました上唇小帯の裂傷の場合は、深さにもよりますが、そのまま様子をみて問題ありません。小児の口腔粘膜の治癒経過は、成人と比較すると早いものです。
唇や舌の場合は、縫合した方が傷口はきれいに治ります。
将来的な事を含めて適切な処置を受けるべきです。

あとは歯の状態です。抜けた歯はないか、お口の中に破片などがないか等も確認してください。
日中でしたら口腔外科を受診して精査してもらえば良いでしょう。
夜間で痛みがそれほど強くない場合は、翌日診療時間内で問題ないと思います。
緊急性について簡単に記載していますが、外傷というものは、受傷の仕方、程度によりいろいろな部位が受傷している可能性もあります。御心配な点や不安な症状は、御連絡ください。