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口腔外科専門医[週刊朝日 2009年5月29日号 掲載]

口腔外科では、舌、口、顎などの口腔顎(がく)顔面領域の主に外科処置を行っており、診療対象となる疾患は大変幅広い。近年急増している顎関節症やインプラント治療、顎変形症、唇顎口蓋裂、外傷なども口腔外科の診療領域だ。また、舌がんや歯肉がんなどの口腔がんの早期発見にも頼れる診療科だといえる。

社団法人日本口腔外科学会では、こうした高い専門性が求められる口腔外科領域の疾患治療のスペシャリストとして、「口腔外科専門医」を認定している。
厚生労働省では、2002年4月から、医師及び歯科医師の専門医資格を認定する団体に対して、 「基準を定めて、その基準に適合した学会の専門医資格に限り」広告することを認めている。

専門医の資格取得のためには、100例以上の執刀経験や入院患者50症例以上の診療経験、論文・研究業績など、さまざまな厳しい条件を満たした上で、筆記と口述試験に合格しなければならない。

同学会では、専門医の資格条件や審査のハードルをこれまでより高いものに改め、昨年4月より新制度をスタートさせており、専門医のさらなる発展と水準の向上が図られている。

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インプラント治療最前線 [朝日ジャーナル 2009年4月14日 掲載]

虫歯や歯周病などで大切な歯を失ったときの治療の1つとして、顎の骨に埋めた人工歯根を土台に人工の歯を固定するインプラント治療が挙げられる。顎にしっかりと固定され、本来の歯に近い感覚を取り戻せるため、第2の永久歯ともいわれるものだ。多くの歯を失った人の治療も可能にするなど、現在も適応範囲は広がっている。

さまざまな利点を持つインプラント治療

歯を何らかの原因で失った場合、そのままでは両隣の歯が抜けた箇所へ傾いたり、歯を支えていた顎の骨がやせたりする。そうしたことを防いでかみ合わせを保つため、歯を補うさまざまな治療が必要になる。中でも注目されているのが、チタン製の人工歯根を顎の骨に埋め、それを土台に人工の歯を固定するインプラント治療だ。

チタンは骨と結合する性質があり、材料として用いることで人工歯根を顎の骨に固定できる。それにより、天然の歯に近い感覚でものをかめるほか、隣の歯に負担をかけないで済む、顎の骨に刺激を与え続けることで骨がやせるのを防ぐなどの利点が得られる。

インプラント治療の流れ 診断から治療後まで

治療は時間をかけて段階的に行われる。まず、カウンセリングや診断によって治療計画を立て、続いて人工歯根を埋め込む手術を行う。手術後は数カ月の期間をおいて人工歯根と骨が結合するのを待ち、人工の歯を取り付けて治療が完了する。インプラントの周囲に炎症などを起こして人工歯根が抜けることもあるため、治療後は定期的なメンテナンスが必要だ。

治療には保険が適用されず、費用がすべて自己負担になる。一般的に1本あたり30〜60万円程度かかるが、手入れをきちんと行っていれば半永久的に使え、何度も治療しなおす必要もない。

技術や機器の進歩により多くの症例に対応

現在のインプラント治療は、技術や機器の進歩などにより、多くの症例に対応できるようになった。例えば、すべての歯を失った人は、本来なら10〜14本のインプラントが必要になるが、最小4本のインプラントで総義歯を支えるオールオン4なら、埋める本数が抑えられ、短期間かつ比較的安価で治療が可能だ。すでに顎の骨が十分にない場合でも、症状次第で骨移植や骨補填材によって骨を補った後に手術を行える。

こうした新しい治療法に限らず、インプラント治療は口腔外科の専門的な知識、高度な手術技能が必要になる。長期にわたって口腔内の健康を維持するためにも、多くの情報を集めて専門性の高い歯科医を選ぶのが望ましい。

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